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Podcast: 経済倶楽部 – 経済危機に備える資産防衛&経済予測サイト
Episode:

新興国の資金援助「IMFか中国か」 どちらが賢明?

Category: News & Politics
Duration: 00:00:00
Publish Date: 2018-08-28 16:00:58
Description:

通貨リラ急落による「トルコショック」により
新興国不安の連鎖を生んでいます。

通常、国の経済危機が襲った場合
IMFが資金援助を行うが
最近は中国が新興国の資金面の
後ろ盾になっている。

IMFか中国式か

金を借りるのはどちらにしても
メリット、デメリットが
存在します。

新興国の資金援助「IMFか中国か」 どちらが賢明?

音声ダウンロード(MP3) [8月25日収録]

中国台頭、新興国のIMF離れ促す

「内政不干渉」が魅力、債務拡大リスク増幅

2018/8/19付 日本経済新聞 朝刊

 通貨リラ急落を起点とした「トルコショック」が金融市場を襲い、新興国不安の連鎖を生んでいる。混乱に拍車をかけているのはグローバル経済の調整役不在。内向き志向の米国は事態の収拾どころか危機をあおる側に回り、国際通貨基金(IMF)の出番も見えてこない。存在感を増す中国が新興国の資金面の後ろ盾になればなるほど、規律が緩み、過剰債務という不安の根が広がる矛盾もはらむ。

支援要請を否定

 16日、トルコのアルバイラク財務相が電話会議で約6千人の投資家に「資本規制のいかなる計画もない」と訴えると、市場に漂う強硬策への懸念が薄れ、リラは一時上昇した。ただ、会議参加者の多くが期待するIMFへの支援要請は改めて否定した。

 「IMFはトルコの状況を注意深く追いかけている」(トルコ中央銀行OB)。要請があれば素早く対応するとみられるが、エルドアン大統領は「政治的主権の放棄だ」とIMFに頼らない姿勢を示す。背景には独裁的な政治手法が似通う中国やロシア、イランなどとの結びつきがある。サウジアラビアなどとの断交で孤立していたカタールは15日、支援を受けたトルコに150億ドル(約1兆6千億円)の直接投資を約束した。

 経済危機に陥った国に財政健全化などを条件に資金を渡す。IMFのそんな「最後の貸し手」の機能は戦後、国際金融秩序の要になり、その本拠にちなみワシントン・コンセンサスと呼ばれた。今回と同じ米利上げ局面で起きた94~95年のメキシコ通貨危機、97年のアジア通貨危機はIMFが導く形で沈静化した。

 国民に痛みを強いることになるIMF支援をはなから好む国はない。6月にIMF支援で合意したアルゼンチンでは国民の反政府デモが続いた。ただ、市場から売りを浴びても背を向ける国はトルコだけにとどまらず、「コンセンサス」は揺らいでいる。

 たとえば、対外債務が急増したパキスタン。IMF支援の常連国だが、7月の総選挙で生まれたカーン新政権は消極的だ。財務相に就くアサド・ウマル氏は地元紙に対し、IMFへの支援要請は、中国からのつなぎ融資など「より好ましい選択肢を模索した後」でのみ用いる「予備の選択肢」だとの考えを示した。

 1千億ドル近くに増えた対外債務の3割は対中債務とされる。すでに中国は2年弱で半減したパキスタンの外貨準備を下支えしている。総選挙の投票日前後だった7月下旬には外貨準備高が90億ドルから103億ドルに反転。中国が資金支援した結果とされている。

 パキスタンがIMFを避ける理由は、支援に際して求められる「透明性」だ。ポンペオ米国務長官は7月末、米メディアの取材に「IMFが支援する場合、その資金は中国への融資返済に充てられるべきでない」と強調した。

 3千キロメートルの「中パ経済回廊」に道路や発電所、港を整える事業は、中国からの融資の金利水準や返済期間といった詳細が非公表。IMFの求めに応じてこれらを開示すれば中国は手をひきかねない。

 ハイパーインフレに直面するベネズエラでも「マドゥロ政権は水面下で中国の金融機関に支援を求めている」との見方が強い。IMF支援は「欧米などが民主的な選挙の実施を条件とする可能性があり、政権存続のために頼れない状況」(シンクタンク、エコアナリティカのアレハンドロ・グリサンティ氏)だ。

経済構造を放置

 中国は新経済圏構想「一帯一路」の掛け声でアジア、アフリカのインフラ事業を手がけカネを出す。IMF勤務経験がある国際金融筋は「IMFは融資の仕組みを柔軟にしてきた」と指摘するが、それでも新興国には、内政不干渉を基本とする中国の支援方針のほうが魅力的に映る。

 裏を返せば、中国に頼る限り問題国の経済構造は正されず、債務はさらに膨らむ恐れがある。中国への借金返済に行き詰まり、中国の国有企業に港をわたしたスリランカのような事態に発展すれば、リスクは安全保障にも広がる。

 中国の台頭が従来型秩序の外側で起きている変化だとすれば、米国の自国第一主義は内なる崩壊だ。市場の不安が募るトルコに米国が関税上げで追い打ちをかけ、混乱に拍車をかけたのは象徴的だ。

 2008年のリーマン危機は米欧が前面に立って20カ国・地域(G20)会議を舞台に世界が動いた。危機の芽を摘む協調のリード役が見当たらないことこそが、目下最大の問題になってきた。

(本社コメンテーター 上杉素直、佐野彰洋、黒沼勇史)


 

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